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ノートパソコンキーボード修理記
2008年08月17日
ジャンクで購入したノートパソコンのキーボードを修理した体験を書いてみます。
古いノートパソコンを手に入れたものの,キーボードのキーのうちいくつかが反応しない。メーカーに聞いてみたら,本体よりも高い修理費がかかると言われた。ここは一つ自分で直してみよう。そんな方への参考になればと思い書いてみました。
とはいうものの,修理に失敗すると,本体を壊してしまう可能性もあります。修理をしてみようという方は,あくまで自己責任でお願い致します。
キーボードの構造は,パソコンのメーカーやモデルによって皆異なるので,これはあくまであるモデルでのサンプルです。
また,修理には,入手は簡単ですが,どこの家にもあるというものではない工具や材料も必要です。趣味でキーボードを直してみたいという方向けですね。
もっとも,ノートパソコンのキーボードの修理をメーカーに頼むと,もっと高い料金を請求されると思いますが。(メーカーでは,キーボードを交換するだけですが)
ここで修理したのは,富士通製のノートパソコンに使われているキーボードです。
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カテゴリ: キーボード修理
ノートパソコンキーボード修理記 - 修理に必要なもの
2008年08月17日
ボール盤
これは絶対に必須です。 普通の手持ちのドリルでは代用できません。 私は,何年か前に,DIYのお店の特売で7,000円で買いました。
プリント板の穴空けなどにとても便利です。重くてかさばるのが不便ですが,DIYを趣味にされている方には,持っていると便利な工具だと思います。ホームセンターの広告を気をつけて見ていると,特売で安く売っていることもあります。
ネットでも売っているようですね。これあたりは,アマチュア用として適当では
ドリルのキリ 3mm 5mm
プラスチック片
これは,キーボードの組み立ての時に必要となるものです。
低温で溶けるものが作業効率が良いでしょう。
プラスチック部品が壊れた時の修理などに便利に使えるのでひとつ持っていても損はありません。
私の使った写真のタイプの棒状のものは,今はもう売られていないようです。 代わりにペレットタイプのものが売られているようです。 そちらの方が使い易そうです。 東急ハンズなどで売られています。
ネットでも売られています。
以前は、楽天でも売られていましたが、今はないようですね。
ここでは売られているようです。
ゆめ画材
EジスPen(イージスペン)
フイルム上に形成された配線を補修するための導電性インクです。
キーボードの修理をするための要です。
これは,恐らく個人が手に入れられる唯一の導電性インクです。
2種類ありますが,ここで使うのは,EZ-AB というタイプのものです。
入手方法
東急ハンズなどにも置いてあるかもしれません。
私は,秋月電子通商で通信販売で入手しました。(電車代の方が高いので)
秋月電子通商
ハンダごて
先の細いものが良いでしょう。
できれば,温度調節ができると良いです。
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ノートパソコンキーボード修理記 - 構造
2008年08月17日
キーボードの構造を図で表します。
分解の前に理解しておくと良いでしょう。
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ノートパソコンキーボード修理記 - 分解
2008年08月17日
分解の前に押しても反応しないキーがどれかを確認して,メモしておきましょう。
そのキーに繋がる配線が切れている訳ですから。
修理したつもりでいたら,配線の切断箇所を見落していたなんてことになると,また最初からやり直しになります。その気力が残っていればですが(^^;)
まず,裏側のプラスチックリベットを外してゆきます。
これが結構面倒な作業となりますし,一番慎重に行わないといけないところです。
これには,ボール盤が必要となります。一般の手持ちドリルは使わないで下さい。
何しろ相手は柔らかいプラスチックとアルミニウムです。ほんのちょっと力を加え過ぎただけでドリルの歯が反対まで突き抜けてしまいます。そうなったら万事休すです。そのキーボートは完璧に修理不可能となります。
ボール盤では,0.2ミリ位の操作が可能ですから。そういう事故もなくなります。
位置をしっかりと確認して,ゆっくりとドリルの歯を下ろしてゆきます。
プラスチックの頭の部分が,アルミ板の頭を通過できる位まで削り取ったら歯を上げてください。アルミ板を削ってはいけません。穴の大きさによって,ドリルの刃を変えます。
必要以上に削ると組み立てのときに苦労することになります。
50個位あるプラスチックリベットを取る作業は大変ですが,慎重に作業を行います。
すべてのプラスチックリベットが取れたら,まずはキーボードのキー側を下にして,机などの平らなところに置きます。゙
そして,アルミ板を端の方から,慎重に剥がしてゆきます。
プラスチックリベットの頭が完全に取れていないで外れにくいところもあるかもしれません。
この時,キーボードを机から浮かせたり立てたりすると,アルミ板が外れた瞬間にキーの部品がバラバラに外れてしまい大変なことになります。
一つのキーは3つの部品から構成されていますから,その大半が外れると面倒なことになります。くれぐれも慎重に。
アルミ板が無事に外れると,下から3枚のシートが現れます。
これは,そのまま簡単に外れます。
このキーボードの場合,上と下の二枚のシートは実は一枚なのですが,端で折り返されて二枚になっています。このシートに導電性のインクで配線が行われています。
二枚のシートに挟まれているスペーサシートは透明なので写真には写っていません。
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故障個所の発見と修理
2008年08月17日
故障個所の発見
まず全体を目視してみます。
配線を追っていき,どこかで切れていないかを調べてみます。
分解前に確認した不良キーから出ている線を追っていくと早く見つかるかもしれません。
目で見えないような断線もありますから,テスターを使って確認します。テスターの棒で配線を切らないように注意しましょう。
私が分解したキーボードでは,配線が黒く変色している部分がありました。
テスターで調べてみると導通がありません。
その部分を挟んでいたアルミ板を見てみると,腐食痕があります。
これは,コーヒーか何かの液体をこぼし,それによって配線が腐食,断線したと思われます。
不良キーからの配線をすべて確認して,断線箇所を特定します。
一カ所とは限らないので注意します。
すべての断線箇所を特定できたら,いよいよ修理です。
修理
導電性の印刷の断線箇所の修理には,前に紹介したイージスペンを使います。
断線している部分の上からインクを乗せてゆきます。
隣の配線にインクがつかないように注意します。
万一隣の配線についてしまった場合には,そのままにしておきます。
乾燥した後で,カッターナイフの先などで削り取ることができます。
配線が終わったら,ヘアドライヤーでインクを乾かします。
インクが乾燥しないまま組み立ててしまうとインクが広がってショートしてしまいます。
キーボードのシートは,導電性インクを印刷し熱で乾燥させて作られている筈なので,ドライヤーの熱位では変形しないと思いますが,熱で変形しないかどうか慎重に作業を行います。
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